幕末・明治の超絶技巧

幕末・明治の超絶技巧
先日、名古屋から遊びに来てくれた職人さんや、大阪の職人さんのお仲間と、大阪歴史博物館にて開催中の「幕末・明治の超絶技巧」展覧会を観賞しに出掛けて参りました。

展示されているものは、京都の清水三年坂美術館コレクションを中心に紹介されています。
清水三年坂美術館には昨年夏に行ったのですが、他所の展示に貸し出されていて観れなかったものも多数ありましたので、今回の充実した展示は嬉しかったです。

近代日本の彫金の歴史は、刀装具制作の流れから派生したものと学びましたが、明治時代の廃刀令により、刀装具での仕事を失った職人たちが、その技術 を別の形に活かして置物であったり、器や花瓶などを作り上げて、明治~大正時代に海外の博覧会に出品され、西欧諸国に驚嘆されたという見事な作品が残され ています。

金属をそのままの色で工芸品に作り上げるだけでなく、日本独特の「色金」という手法で色を変えた金属を象嵌したり、生きものや果実などを写実的に表現したり・・・
気が遠くなるほど細密な象嵌などなど・・・
意匠や文様も日本独特のものです。(たとえルーツがシルクロードに有りそげな文様でもしっかり日本スタイルに昇華されているような感じです)

何時間でも魅入られてしまいそうになりました。

ここまでのものですと、どうやって作っているのだろうか?ということは・・・あまり考えません。
素直に美しく、素晴らしいものとして眺めるだけで、創造力の大いなる助けになってくれるはずです。
たとえ作るものに工芸品とジュエリーとの違いはあっても・・・。