「素材のお話」カテゴリーアーカイブ

プラチナセミナーの講師を務めました

先日アトリエヒロウミ三代目・廣海貴晴がプラチナ・ギルド・インターナショナルで行われた女性誌編集者、ジュエリージャーナリストの方々にお越しいただいての「プラチナセミナー」の講師を務めさせていただきました。

プラチナギルドセミナー講師

プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)は、プラチナの価値を消費者にお伝えしたり、プラチナジュエリーの普及に努めている機関です。
日本では1970年代より活動されているので、『プラチナは永遠の輝き』といったPGIの広告に使われるコピーは、日本においてもすでに広く知られているかと思います。

今回はプラチナジュエリーを制作する立場から、プラチナの優位性を話して下さいということで、貴金属加工職人である三代目にお声がかかり、それならばとお引き受けした次第です。

当アトリエで制作しているジュエリーの多くはプラチナ950製です。
加工する立場からも、ジュエリー制作においてプラチナは欠かせない大切な素材です。

プラチナの特性としまして、『変色しない』、『経年変化が無い』などございます。
加工においては、『伸展性が良いので、細い線や繊細な加工(表現)がしやすい』などがあります。

プラチナは、純プラチナ(Pt999)の状態では非常に柔らかい貴金属です。
そこに割金を加えてPt950などに純度を変えて硬くして加工や日常使用に耐えられる硬さにします。
プラチナジュエリーの魅力や特徴に加えて、そういったプラチナの特性も実際に触れて感じていただけるように、純プラチナの板や割金を加えて特別に硬くしたPt950の線材など、比較していただくための材料や動画などもご用意して職人目線のプラチナのお話しもさせていただきました。

普段は彫金机に向かい、ほとんどしゃべることもなく黙々と作っている三代目ですので、流暢とはいきませんでしたが、思いの丈はすべてお話しさせていただいて参りました。

一般の消費者の皆様へ情報の橋渡しをしてくださる編集者、ジャーナリストの方々にプラチナ及びプラチナジュエリーに対するご理解を一層深めていただく機会となったご様子でしたので、お役に立つことができたならばとホッとしております。

ゴミではないんですよ!

先日、バフの集塵機の掃除をいたしました。

バフというのは、丸く切った布を何枚も重ねて厚みを出して、それに研磨剤をつけてモーターでまわしてリングなどを磨く道具です。

バフ粉
研磨した時に出る粉などを集めたものです

その集塵機には研磨の時に出る研磨剤の粉や、様々なものが遠心分離されております。
その集まったものがこれです。

まさに塵のように細かなもので、「ふ~」と息を吹きかけると「もわもわ~」と舞い上がってしまいます。
実はこの中にも研磨されたプラチナや金などが含まれているのです。
もちろん目で見えるようなものではないのですが・・・、これらを集めて専門の業者さんで分析をしてもらいます。

アトリエの初代の時代ですと、なんと部屋の畳まで分析に出したとか!
それだけ貴重で高価な資源を使ってジュエリーは生み出されております☆

HIROUMI JEWELLERY 基本のキ

どんなに素晴らしい宝石も、ジュエリーとして身に着けるには貴金属の助けが必要になります。

プリミティブなものやコンテンポラリーものでは、貴金属以外のマテリアルを使ったものも多々ありますが、一般的に思い浮かぶものは、プラチナ、金などの貴金属ですね。

アトリエヒロウミで制作させていただいているハイジュエリーやオーダージュエリーの90%以上は、独自の割金配合のオリジナルPt950を使用しています。

繊 細な線で中石を留められるような張りのある、磨き上げたときに一点のくもりもなく輝きを放つ、なめらかな肌に仕上がるという、ハイジュエリー制作用に開発 したPt950ですが、HIROUMI marriage collectionでも、同じPt950を使用しています。

純プラチナと割り金を合わせ溶かし、独自のPt950を制作している動画をアップしてみました。

PT950地金製作動画(クリックすると動画サイトに移動いたします)

プラチナ鍛造動画

プラチナブログに載りました♪

さまざまな、プラチナジュエリーの情報発信をしてくださる、プラチナ・ギルド・インターナショナルさん。

そちらの「プラチナ・ブログ」にて、レース切り絵アーティスト・蒼山日菜さんと、HIROUMIのコラボレーションで出来上ったジュエリー、「ル・パピヨン」 をご紹介いただきました。
もちろんこの蝶もプラチナ950製です。

Hinaaoyama-hiroumi

レース切り絵のような繊細な表現には、粘りがあるプラチナはぴったりの素材です。
細い線でありながらも、しなやかに伸びやかなラインが出せます。
プラチナでなければ、「ル・パピヨン」 はこれほど蒼山さんの世界を表現できなかったと思います。

蒼山さんとのコラボーレーションのきっかけや、制作裏話もお話させていただいております。
「プラチナ・ブログ」ぜひご覧くださいませ。

プラチナの美しさを語りましょう

先日、プラチナ・ギルド・インターナショナル主催の「プラチナベーシックセミナー」を受講させていただいて参りました。

プラチナセミナー

現在アトリエヒロウミでお作りしているジュエリーの9割以上はプラチナを使用している製品となります。
しかも、その100%が国際基準のPt950でございます。

鍛造し手作りしているからこそ、プラチナの特性はよく知っているつもりでも、ジュエリー制作者が当たり前と思っているプラチナの良さを、どのような言葉でお伝えしたらお客様に理解を深めていただけ、目の前のプラチナジュエリーの価値をダイレクトにお伝えできるのか?
そのお話を学ばせていただきました。

日本でプラチナジュエリーとして認められるのは、「Pt850」以上です。
つまりプラチナ含有量が85%以上のものでないと「プラチナジュエリー」とは認められません。日本での主流は「Pt900」プラチナ含有量が90%のものです。

実は、国際基準のプラチナジュエリーは、主に「Pt950」が使われています。
プラチナ含有量は95%の高品位なものです。

でも、「高品位が良いのだったら、交じりっけ無しの100%のプラチナを使ったらいいのじゃない?」という声も聞こえてきそうですが、貴金属は意外かもしてませんが、とても柔らかい金属なのです。
それをジュエリーとして制作するにも、日常的に身に着けるにもある程度の金属の硬さが必要になってきます。

ですから、プラチナに僅かな割り金を加える事で硬さを出す必要性があるのです。

アトリエヒロウミでは、プラチナに独自配合の5%の割金を加えています。さらに槌で硬く叩き締めることで一層硬さを出すようにしています。

硬いぶん、加工は大変にはなりますが、硬質であるがゆえ磨いて仕上げたときも一点の曇りも無い鏡の様なプラチナの姿に仕上げることができるのです。

アトリエヒロウミのプラチナ950の輝きは、格別に美しいと自負しております。