七宝ジュエリーのミノワダジュエリークラフトさん

先日、東京・浅草で七宝ジュエリーのサロン&工房を営まれている「ミノワダジュエリークラフト」さん

そちらのデザイナー箕和田幸恵さんが関西出張の折に、私共のアトリエをお訪ね下さいました。
ラリックのエマイユジュエリーに魅せられ、ご夫婦で七宝ジュエリーブランド『Shiki(シキ)』を立ち上げられて、奥様がデザインと七宝入れ、ご主人が制作と二人三脚で作り上げていらっしゃいます。

先日このブログでご紹介したエマイユジュエリーの次世代を担うジュエラーさんで、数々の受賞歴を誇る本格派です。

ちょうどブランドを立ち上げられる少し前に偶然出逢い、東京と大阪に離れてはいますが、お互いに出張の折などには訪ねあい、ジュエリー作りの仲間として情報交換したり、刺激を受けたりするよいお付き合いをさせていただいております。

ミノワダ:デザイナー箕和田幸恵

新作などのお持ちになっていたジュエリーがたくさんありましたので、ぜ~んぶ開いて見せていただいております(笑) 贅沢ですね。

七宝ジュエリーをメインに作っていらっしゃるジュエラーさんは、先日のブログでも書かせていただいた中嶋邦夫さんをはじめ数えるほどしかいらっしゃらないようです。

宝石と貴金属で作り上げたジュエリーとはまた違った楽しさ、身に着ける喜びのある美しいジュエリーとどうぞ出逢ってください。

ミノワダジュエリークラフトさんのサロンは新たな東京の名所、スカイツリーのお近くです。

 

エマイユを観に行きませんか?

現代日本のエマイユジュエリーの第一人者とも言える、中嶋邦夫さんからご案内をいただきました。

エマイユの煌き(チラシ表)

名古屋にあるヤマザキマザック美術館でエマイユのジュエリーや工芸品を集めた展覧会が催されるそうです。

エマイユの煌き(チラシ裏)

中嶋邦夫さんのエマイユジュエリーはもちろん、アールヌーボーの時代に活躍したジョルジュ・フーケのエマイユジュエリーや、ブシュロンなど一流ブランドが当時手がけたアンティークと呼べるエマイユジュエリーも展示されるようです。

エマイユというと馴染みがないと聞こえるかもしれませんが、日本では「七宝」と呼ばれる工芸技法のことです。
七宝と聞いてまず頭に浮かんでしまうのは、土産物屋さんに並んだブローチなど、年配向けのアクセサリーであったり、趣味の七宝教室などの習い事イメージだったりするかもしれませんが、素晴らしいエマイユジュエリーは目からウロコできっと魅了されると思います。
豪奢な宝石だけでは表現できない、また別物の美しさ、華やかさ、密やかさがあります。

ジュエリーの他にも、清水坂三年坂美術館収蔵の並河靖之作 品などの工芸品も展示されるようです。1878年のパリ万博で日本の金工や七宝なども含めた工芸作品が数々出品され、その日本独特の意匠、細やかな細工が 欧米人を驚かせたそうですが、その中に並河の作品も含まれていました。細密な有線七宝で気の遠くなるような細かな細工の超絶技法の七宝作品は一見の価値お おいに有りです。

もともと愛知では「尾張七宝」といって地場産業として七宝は盛んだったようです。

今もそれを引き継いでいる工房もいくつかあり、私共の制作するジュエリーと工芸品という違いはあっても、同じく技術を受け継ぎさらに磨いていくということでは共感するものがあります。

4月24日から8月26日までと展示期間も長いので、時間を作り観に行かせていただこうと考えております。

お近くの方は是非御覧ください。

プラチナセミナーの講師を務めました

先日アトリエヒロウミ三代目・廣海貴晴がプラチナ・ギルド・インターナショナルで行われた女性誌編集者、ジュエリージャーナリストの方々にお越しいただいての「プラチナセミナー」の講師を務めさせていただきました。

プラチナギルドセミナー講師

プラチナ・ギルド・インターナショナル(PGI)は、プラチナの価値を消費者にお伝えしたり、プラチナジュエリーの普及に努めている機関です。
日本では1970年代より活動されているので、『プラチナは永遠の輝き』といったPGIの広告に使われるコピーは、日本においてもすでに広く知られているかと思います。

今回はプラチナジュエリーを制作する立場から、プラチナの優位性を話して下さいということで、貴金属加工職人である三代目にお声がかかり、それならばとお引き受けした次第です。

当アトリエで制作しているジュエリーの多くはプラチナ950製です。
加工する立場からも、ジュエリー制作においてプラチナは欠かせない大切な素材です。

プラチナの特性としまして、『変色しない』、『経年変化が無い』などございます。
加工においては、『伸展性が良いので、細い線や繊細な加工(表現)がしやすい』などがあります。

プラチナは、純プラチナ(Pt999)の状態では非常に柔らかい貴金属です。
そこに割金を加えてPt950などに純度を変えて硬くして加工や日常使用に耐えられる硬さにします。
プラチナジュエリーの魅力や特徴に加えて、そういったプラチナの特性も実際に触れて感じていただけるように、純プラチナの板や割金を加えて特別に硬くしたPt950の線材など、比較していただくための材料や動画などもご用意して職人目線のプラチナのお話しもさせていただきました。

普段は彫金机に向かい、ほとんどしゃべることもなく黙々と作っている三代目ですので、流暢とはいきませんでしたが、思いの丈はすべてお話しさせていただいて参りました。

一般の消費者の皆様へ情報の橋渡しをしてくださる編集者、ジャーナリストの方々にプラチナ及びプラチナジュエリーに対するご理解を一層深めていただく機会となったご様子でしたので、お役に立つことができたならばとホッとしております。