フルオーダージュエリー制作 その4

メインのパーツが出来上がりましたら、細部にまで気を使いながら、ドンドン続きを制作していきます。

デザイン画をもとにイメージをふくらませて、どのように組み立てるのか、このパーツはどれくらいの角度で溶接するのか、溶接する溶加材の温度は・・・様々なことを想定していき常に最終形をイメージし、現在より5工程先ぐらいまで見通し、いくつもルートを検討してその中で最良だと判断した方法で組み立てていきます。
きっと周りから見ていると、ジッと黙々と作業しているようにみえると思うのですが、頭のなかでは沢山の事を考えながら手を動かしております。

どのように作るのか、どのように仕上げたいのか、という考えで全ての出来は変わってきます。
そしてジュエリーを作る上で何をお客様から託されたのか理解することが最も大切なことかもしれませんね。

ダイヤリング制作4_DSC9671_2226

ここまでできれば完成は目前です。もう皆様にもイメージは出来たと思います☆
よくご覧いただくとわかると思いますが、腕(アーム)と呼ばれる一部分にダイヤモンドがすでにセットされているのが見て取れるかと思います。
通常は枠のすべてを完成させてから、ダイヤモンドのセットをするのですが、こちらはデザインの上で先にダイヤモンドをセットしていないと他のパーツが邪魔になってしまい後からダイヤモンドのセットができなくなってしまうので、先に一部分だけダイヤのセットをしました。
こういった作業は「加工」と「彫留め」と同じ工房内で行っていないとちょっとむずかしい作業かもしれませんね。

フルオーダージュエリー制作 その3

お盆の季節になりましたね。
とても暑い日が続いておりますので、皆様どうぞ熱中症にはお気をつけくださいね。

アトリエではこのお盆も休まず制作を続けております。
日ごろはバタバタと慌しく制作しますが、休日は優雅に制作…なんて(笑)
どちらにせよ、手にしてくださる方の喜んでくださることを想像しながら制作の毎日です(^^)
さて、材料の準備が整いましたらいよいよ制作開始です!
用意しましたプラチナの角棒をそれぞれ必要な寸法に伸ばします。

デザイン画を参考にしながら、ダイヤモンドの周りの枠を作ります。
上の写真のように伸ばしたプラチナをヤットコなどを使って丸く丸めていきます。
曲げて行きますと加工硬化といってだんだん硬くなってきますので、途中ガスバーナーでプラチナを熱して急冷することで少し曲げやすくなるので、それを繰り返しながら少しずつ曲げていき丸いワッカを作ります。

ダイヤリング制作2_DSC9611_2217

同じような作業を他のパーツでも繰り返し、各部分を作っていきます。
写真に写っているワッカが、ダイヤの周りの部分になるパーツで、これに穴を開けて小さなダイヤモンドを埋め込んでいきます。
真ん中あたりに移っている丸い線で作ったようなパーツがダイヤの受け皿になるものです。
3本写っている線状のものはダイヤモンドを押さえる爪といわれる部分になるものです。
大きな角棒はリングのアームになる予定です。

フルオーダージュエリー制作 その2

デザインを決めていただきましたら、制作に取り掛からせていただきます。

いつもの通り、純プラチナに割り金を加えて溶かし、アトリエ独自配合のPt950を作ります。
解り易く言うと、オリジナルブレンドのPt950ということです。

純プラチナは、薄板状だと手でクニャっと曲げられるほど柔らかい貴金属です。

そこで、傷付きにくく、変形しにくい硬さを持たせ、細い線で石留めした時も緩みにくい張りと腰がある、プラチナ合金を作ります。


アトリエでは、世界標準のPt950を用いていますので、純プラチナ95%、残り5%に他の金属をブレンドしていますが、その配合は門外不出とさせていただいております。
その配合も作るものによって、部分的に変える場合もあります。
配合によって同じ純度のプラチナでも、硬くなったり柔らかくなったりしますので、いま作るジュエリーに、最もふさわしい材料を準備します。その見極めはジュエリーを作る上ではとても重要になってきます。

 

フルオーダージュエリー制作 その1

HIROUMIでは、マリッジコレクションだけではなくフルオーダーでのジュエリー制作も賜っております。
そこで、フルオーダーでのジュエリー制作をご依頼いただいた場合の流れをお話してみます。

今回は、1ctのラウンドブリリアンカットのダイヤをセンターストーンに使った、エンゲージリングをとのご依頼をいただきました。

ご希望のデザインイメージをお持ちの場合、その内容を伺い、一旦デザイン画に描き起し、ご確認いただきます。

または、「どんなデザインがいいでしょうか?」とのご相談があれば、お客様の年代、お好みのテイストや身に着けられるシーンや誰に贈られるなどの情報を詳しくお伺いし、お勧めさせていただきたいデザインをいくつか描き起こして、ご提案させていただきます。

その描いたデザイン画からお選びいただいても結構ですし、デザイン画を元に、ここをもう少し細くしてほしい、ミル打ちを加えてほしい、メレーダイヤを加えてほしいなどのご希望を伺い変更やアレンジもさせていただいております。
具体的にデザイン画をご覧になられると、お好みや拘りたいイメージもはっきり出て来られると思いますので、この時点でご遠慮なくお伝えいただけたらと思います。

今回制作させていただくジュエリーのデザインは、ご相談の結果こちらに決まりました。

デザイン画HIROUMI解説書

デザイン画をお決めいただきましたら、細部の仕様など出来るだけ細かくお伝えできるように解説を加えたりしております。

次回は、制作についてのお話を続けさせていただきますので、ジュエリーの作りにご興味をお持ちの方はどうぞお楽しみに♪

 

フルオーダー、アレンジオーダーにつきましては、お近くのHIROUMIマリッジコレクション取扱店にどうぞお気軽にご相談下さいませ。

(お近くに店舗がない地域の方は、アトリエヒロウミまでお問い合わせくださいませ)