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「HIROUMI」は、創業1930年よりハイジュエリー制作で歴史を積み重ね、常に時代に残る上質なジュエリーを求め、作り続けているジュエラーです。 親子三代にわたり、伝統に培われた技術とオートクチュールジュエリー制作で培った感性で、ハイジュエリーからマリッジリングまで、等しく想いをこめて制作しております。

爪の角度?

ソリテールリング爪の角度(マーキスダイヤ)HIROUMI

ジュエリーにご興味のある方でしたらピンと来るかもしれませんが。
爪と言うのは指の爪ではなく、宝石を留めるための柱のような部分の事を指します。
(今回の写真ではピンセットで挟んでいる線材の部分です。リングを裏側から映しております。)

ソリテールリング爪の角度2(マーキスダイヤ)HIROUMI
一本ずつ爪の角度を調整・確認しているところです。

ジュエリーにセットされている宝石のほとんどはプラチナや金などの貴金属によって枠に押さえこまれております。

とはいえ、そこに留めているだけなら、あまり気を使わなくてもいいのですが、美しくセットしようと思えば、どのようにセットすれば美しくする事が出来るかということを考えなければなりません。
今回の写真で撮りましたこのマーキスカットダイヤのリングでも、その部分は随分意識して制作しております。
マーキスカットのシャープさを表現するために爪を鋭角にセットし、かつ線材でも石枠部分は太く根本に向かって細くと、グラデーションを付けました。
わずかな変化なので、気付き難いかと思いますが、それでも繊細さを感じてもらえればと思っての加工です。

手作りでの制作ですので、爪の一本一本を棒状のプラチナから削ってつくり、角度の調整をしながらセッティングして溶接していきます。
ただ鋭角にと一言で申しましても、一か所を鋭角にセットするためにはそれに関連する部分の作りすべてを、
それに合わせて制作する必要があるので、事前に見越してそれらの部分をそれに合わせて作っておく必要性があります。
後で思いつきで出来るものではありません。
細かな作業なので、神経を研ぎ澄ましての作業となります。
この爪を立てる作業をしている間は、話しかけられても返事をする事が出来ません。
ときには一本立てるのに一日かかってしまうことがあるほどです。

仕立ての大切さ

ハートシェイプを使用した、ソリテールリングの側面から見た写真です。
ソリテールリング(ハートダイヤ)HIROUMI

宝石の美しさを表現するために、あえてシンプルなモデルに制作致しました。
先に書きましたようにシンプルに表現するには、思われる以上に高度な技術が求められます。
宝石の美しさについ目を奪われがちですが、そんな時ほど枠の仕立てにも十分目を凝らして下さい。
側面から見てみると枠のプロポーションをみてとる事が出来ます。
そうすればそのジュエリーを制作されるまでの想いを感じ取っていただけることと思います。
見分けの一つとして、枠の細部までに至る仕上をご覧いただければと思います。

ジュエリーには、貴重なプラチナや金を素材に宝石がセットされております。
だからこそ、見えづらい裏側や隙間の内側まで綺麗にプラチナも磨いてあげなければ、高価な貴金属を使用する意味がないと考えております。
手にした際に、地金部分をそっと光に照らして下されば鏡のように綺麗に反射し、お顔が映り込むと思います。
宝石と共に、枠の仕立てにもジュエリーとしての完成度を気に留めるようにして頂ければ、
どのような元に作られたのかということが少しづつ感じれるようになるのではないかと思っております。

そういった細部に至る仕上げや、作り込みが宝石の魅力を引き出すのにとても大切な役割をしております。

ソリテールリング(ファンシーダイヤモンド)

今回の新作発表にて、制作しましたソリテールリングのご紹介です。
ソリテールリング(マーキス・ハートシェイプ)HIROUMI

純粋に繊細で綺麗と思える作品を作りたいと思い、ソリテールリングを2点制作致しました。

センターストーンのダイヤの美しさ、メレーダイヤの煌めき、繊細に作りあげ余計なものをそぎ落とし
指の上にそっと輝く、洗練した美しさを表現したく思い作り上げたモデルです。

一軒シンプルに見えるかもしれませんが、ジュエリーの良さ、宝石の魅力を引き出すために考え抜き、技術を凝らした作品です。

シンプルな作品と言うのは、技術の良し悪しがとてもはっきりと解るものなのです。

左右対称であったり、センターストーンを留める爪の角度であったり、メレーダイヤの彫り留めの綺麗さであったり、
わずかな歪みがシンプルであるがゆえにはっきりと解ってしまうのです。
そして、ヤスリひとかけで大きく表情が変わってしまいます。
ですから、制作における「作り手」の技術がはっきりと出てしまう作品と言っても過言ではないかもしれません。

繊細な作りのなかにも、指にしたときに優しく納まるようにリングの内側には程良い幅を持たせ、
心地好さも感じていただけるようにと配慮いたしました。

どうしてダイヤモンドが美しく感じるのか、そんな時リングの枠の仕立てにも少し目を凝らして頂ければ面白いかもしれません。

 

メレーダイヤの品質

メレーダイヤチェック(HIROUMI)
10倍のルーペで傷や色などの確認作業

 

私達は魅力的なジュエリーを制作したいという想いから、制作にこだわるのと同様にメレー(小粒)サイズのダイヤモンドにも強いこだわりを持ち、厳選した高品質の物だけを使用しております。

どれだけ丁寧に制作したものであっても、それに見合うダイヤでなければ良い結果には繋がりません。
だからこそ、より品質の高い物を私達も求めるのです。
とはいえ、常に良い宝石を取り扱う業者との信頼関係がなければ良い品を取り扱うことは困難なのです。
お互いプロ同士ですので認めあう関係でなければ成立しません。

その中から、限りなくカラーレスで美しいプロポーションの物だけを厳選して選んでいきます。
だからこそ、小さいサイズの物でもしっかり強い輝きを放つのです。

元々、品質の高いものだけを取り扱ってきておりますが、その中でも
「科学的に綺麗に見えるもの」と「視覚的に綺麗に見えるもの」との違いについても話し合います。
それは高品質だからと慢心せずに、常に最上のものを追い求めていきたいという姿勢からなのです。
ダイヤだけでも技術だけでもいけません。お互いの相乗効果により美しく輝くのです。

これからも良いジュエリーをお届けする為に、妥協することなく誠実に取り組んでまいりたいと思います。

厳選したメレーダイヤ(HIROUMI)

HIROUMIから生まれるジュエリーたち

ヒロウミマリッジ(結婚指輪)No.3

私達が皆様にお手に取っていただきたいジュエリーとは・・・。
そんな想いを少しずつでもご説明できればと言う想いで、今までとは少し違った形で
ジュエリーを制作している私たちの考えもふまえてブログを始めたいと思います。
「HIROUMI」は1930年に初代が創業してより現在で三代目となり、一貫として手作りを主に
ハイジュエリー製作で歴史を積み重ねる宝飾加工アトリエのオリジナルブランドです。
時代の流れの中で様々な技法が生まれる中でも何故手作りにこだわるのか。
ホームページだけではお伝えしきれない事を綴り、このブログを通じ感じていただければ幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。<三代目>